あなたは知っていますか?競馬で賭けたお金のすべてが戻ってくるわけではないという事実を。
実は、馬券購入額の20%から30%は、あなたの手元に戻ってこないのです。
「え?そんなに取られているの?」
そう思った方、まさにその通りです。日本の競馬(JRA)では、馬券の種類によって異なりますが、70%から80%の還元率が設定されています。つまり、10,000円分の馬券を買うと、平均して7,000円から8,000円しか戻ってこないのです。
この記事では、競馬の「還元率」という概念から、あなたの競馬ライフを劇的に変える馬券購入術までをお伝えします。初心者からベテランまで、誰もが知っておくべき「勝つための知識」をこの記事に詰め込みました。
競馬の還元率とは?お金の流れを知れば賢く馬券が買える
まず基本中の基本。「還元率」とは何でしょうか?
還元率とは、馬券の売上金額のうち、どれだけの割合が配当金として払い戻されるかを示す数値です。例えば還元率80%なら、100億円の売上があった場合、80億円が的中馬券の払戻金となります。残りの20億円はJRAの運営費や税金として使われます。
「控除率」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。控除率は還元率の反対の概念で、売上から差し引かれる割合のことです。還元率が80%なら、控除率は20%となります。
この仕組みを理解することは、競馬で勝つための第一歩です。なぜなら、還元率の違いによって、同じ予想力でも長期的な収支に大きな差が生まれるからです。
馬券の種類ごとの還元率を徹底比較!あなたはどの馬券を買うべきか?
JRAの馬券には様々な種類がありますが、それぞれの還元率は異なります。詳しく見ていきましょう。
単勝・複勝(還元率80%)
最も高い還元率を誇るのが単勝と複勝です。約20%が控除され、80%が払戻金として還元されます。
- 単勝:1着の馬を当てる馬券
- 複勝:3着以内に入る馬を当てる馬券(出走頭数によって変動)
単勝・複勝は的中率も比較的高く、初心者にもおすすめの馬券です。
馬連・枠連・ワイド(還元率77.5%)
次に高いのが馬連・枠連・ワイドの77.5%です。
- 馬連:1着と2着になる2頭の馬の組み合わせを当てる(順不同)
- 枠連:1着と2着になる2つの枠の組み合わせを当てる(順不同)
- ワイド:上位3着に入る2頭の馬の組み合わせを当てる(順不同)
これらは単勝・複勝より的中難度が上がる分、配当も高くなる傾向があります。
馬単・3連複(還元率75%)
還元率75%の馬券には、馬単と3連複があります。
- 馬単:1着と2着になる2頭の馬を着順通りに当てる
- 3連複:1着から3着までの3頭の馬を当てる(順不同)
的中難度がさらに上がり、大きな配当を狙える馬券種です。
3連単(還元率72.5%)
最難関の3連単は、還元率も72.5%と低めに設定されています。
- 3連単:1着から3着までの3頭の馬を着順通りに当てる
的中すれば高配当が期待できますが、その分、難易度も最も高いと言えるでしょう。
WIN5(還元率70%)
特別な馬券であるWIN5は還元率が最も低く70%です。
- WIN5:指定された5レースの1着馬をすべて当てる
難易度の高さから、高額配当を生み出すことがありますが、長期的に見ると最も不利な馬券種と言えます。
驚きの事実!還元率の違いが長期的な収支を左右する理由
ここで、多くの方が見落としがちな重要な事実をお伝えします。還元率の違いは、一見小さく見えるかもしれません。単勝(80%)と3連単(72.5%)では、わずか7.5%の差です。
しかし、この差は長期的に見ると驚くほど大きな影響を与えます。
例えば、あなたが競馬の予想において、どの馬券種でも「理論上の還元率の90%」を回収できる能力を持っているとします(これは非常に高い予想力です)。
この場合、各馬券種での実質的な回収率は以下のようになります:
- 単勝・複勝:80%×90%=72%
- 馬連・枠連・ワイド:77.5%×90%=69.75%
- 馬単・3連複:75%×90%=67.5%
- 3連単:72.5%×90%=65.25%
- WIN5:70%×90%=63%
同じ予想力でも、単勝と3連単では回収率に約7%もの差が生じます。100万円分の馬券を購入した場合、約7万円の差になるのです。
プロ競馬予想家が明かす!還元率から考える回収率アップの5つの秘訣
では、この還元率の知識を踏まえて、どのように馬券を購入すれば良いのでしょうか?プロの競馬予想家が実践している秘訣を5つご紹介します。
1. 単勝・複勝を基本の軸に据える
まず、基本中の基本。還元率の高い単勝・複勝を中心に据えましょう。特に、あなたの予想に自信がある場合は、迷わず単勝で勝負するのがおすすめです。
「でも、単勝だと配当が低くて…」と思うかもしれません。しかし、的中率の高さと還元率の高さを考えると、長期的には最も賢い選択肢と言えます。
2. オッズと実力の乖離を狙う「バリューベット」
単勝馬券を購入する際、大切なのは「オッズと実力の乖離」を見極めることです。
例えば、あなたの分析では20%の勝率があると思われる馬が、オッズ10倍(勝率10%相当)で販売されているとしましょう。この場合、期待値は「10倍×20%=2.0」となり、理論上は長期的に2倍の回収が見込めます。
こうした「割安な馬」を見つける目を養うことが、回収率向上の鍵となります。
3. 荒れるレースと荒れないレースを見極める
すべてのレースを同じように賭けるのではなく、レースの特性に合わせた馬券選びが重要です。
- 荒れにくいレース:重賞、古馬の実力差がはっきりしているレースなど
- 荒れやすいレース:新馬戦、2歳戦、季節の変わり目のレースなど
荒れにくいレースでは単勝・複勝を中心に、荒れやすいレースでは馬連や3連複など、的中率と配当のバランスを考えた馬券選びをしましょう。
4. 複数の馬券種を組み合わせた「リスク分散」
一つの予想に対して、単勝と馬連など、複数の馬券種を組み合わせることで、リスク分散と回収率の安定化を図ることができます。
例えば、本命馬の単勝を手厚く買いつつ、本命と対抗の馬連も少額購入するといった方法です。これにより、本命が1着になれば単勝で回収し、対抗が2着に来れば馬連でカバーできます。
5. 長期的な視点で「資金管理」を徹底する
最後に、最も重要かつ多くの人が軽視しがちなポイント。それは資金管理です。
例えば「1レースあたり資金の5%まで」といったルールを自分で設け、それを厳守すること。「負けを取り戻そう」という心理から馬券購入額を増やしていくと、破滅への道をたどることになります。
長期的な視点で、コツコツと資金を増やしていく姿勢が大切です。
還元率だけじゃない!回収率に影響する競馬の4つの「隠れた要素」
還元率以外にも、回収率に大きく影響する要素があります。ここでは4つの「隠れた要素」について解説します。
1. 人気馬の過大評価現象
JRAの競馬では、人気馬(特に1番人気)が実力以上に過大評価され、オッズが下がりすぎる傾向があります。これは「フェイバリット・バイアス」と呼ばれる現象です。
実際のデータを見ると、1番人気の馬の勝率は約35%程度。つまり、1番人気を盲目的に買い続けると、長期的には損をすることになります。
この現象を理解し、過小評価されている馬を見つけることが、回収率向上の近道となります。
2. 曜日・開催場所による傾向の違い
土曜と日曜、また開催場所によって、レースの傾向は大きく異なります。
例えば、一般的に土曜は日曜に比べて荒れやすいと言われています。また、東京・阪神など大きな競馬場では人気どおりに決まりやすく、地方の競馬場では荒れやすい傾向があります。
こうした傾向を把握し、その日・その場所に合った馬券戦略を立てることが重要です。
3. 季節による馬の調子変化
馬は生き物ですから、季節による調子の変化があります。特に、夏から秋、冬から春への変わり目には、馬の調子が大きく変わることがあります。
過去のデータを分析すると、特定の馬が特定の季節に強いという傾向が見られます。例えば「春に強い馬」「秋に調子を上げる馬」などです。
こうした季節による変化を予想に取り入れることで、より精度の高い予想が可能になります。
4. 馬場状態の影響力
馬場の状態(良馬場・稍重・重・不良など)によって、馬の走りやすさは大きく変わります。
例えば、重馬場を得意とする馬もいれば、良馬場でしか力を発揮できない馬もいます。こうした特性を事前に把握しておくことで、馬場状態によって柔軟に予想を変えることができます。
特に雨の日には、馬場状態を見極め、それに適した馬を選ぶことが回収率アップのポイントとなります。
海外との比較!日本の競馬はなぜ「還元率が低い」のか?
JRAの馬券の還元率(70%~80%)は、実は国際的に見ると低い水準にあります。では、なぜ日本の競馬は還元率が低いのでしょうか?そして、海外ではどうなっているのでしょうか?
海外の還元率事情
- イギリス・アイルランド:ブックメーカー方式を採用しており、競争原理が働くため、還元率は85%~95%と高水準
- 香港:還元率約82%と高め。効率的な運営と徹底した不正防止策が取られている
- フランス:日本と同じパリミュチュエル方式(勝馬投票券方式)だが、還元率は約78%~83%
- アメリカ:州によって異なるが、概ね80%~85%程度
なぜ日本は低いのか?
日本の還元率が低い理由としては、以下の点が考えられます:
- 公営ギャンブルとしての位置づけ:日本の競馬は公営ギャンブルであり、売上の一部は国庫や地方自治体の収入となります
- 施設維持・馬産地支援:日本では競馬の収益は、競馬場の維持・管理や馬産地支援など、競馬産業全体の発展に使われています
- 独占市場の影響:日本では公営以外の馬券発売が認められておらず、競争原理が働きにくい環境です
しかし、日本の競馬には「高い透明性」「厳格な管理体制」という大きなメリットがあります。これにより、公正なレース運営が保証され、安心して馬券を購入できる環境が整っているのです。
プロが実践!還元率を意識した「馬券種別の使い分け術」
ここからは、実際にプロの競馬予想家がどのように馬券種を使い分けているのか、具体的なシチュエーション別にご紹介します。
①「堅い」と判断したレース
本命馬に強い自信がある場合は、迷わず単勝を選びましょう。還元率80%という高さを活かし、的中率の高さでコツコツと資金を増やします。
【具体例】
- 実績十分な重賞馬が格下のオープン特別に出走
- 前走圧勝した馬が同条件で出走
- 好調な騎手と厩舎のコンビで、条件的に抜けた馬
②本命と対抗が抜けていると判断したレース
本命と対抗の2頭が抜けていると判断した場合は、馬連が効果的です。還元率77.5%とやや下がりますが、的中率を高められます。
【具体例】
- 2頭が他馬を大きく引き離して好タイムをマーク
- 上位2頭のみが重賞実績あり
- 斤量差や枠順で優位な2頭が明確
③混戦のレース
馬群が接戦になりそうな混戦レースでは、ワイドが有効です。3着までに入れば的中となるため、的中率を高めつつ、還元率も77.5%と比較的高く保てます。
【具体例】
- 実力が拮抗した新馬戦
- 多頭数の長距離レース
- コンディション変化のある雨の日のレース
④荒れる可能性が高いレース
完全な荒れレースと判断した場合は、あえて3連複を選択します。還元率は75%とやや下がりますが、少額で高配当を狙えるチャンスがあります。
【具体例】
- 経験の浅い2歳戦
- 実績の乏しい大穴馬が多い条件戦
- 不良馬場で実績のないメンバーが揃ったレース
⑤特別な自信がある「勝負レース」
通常は避けるべき3連単ですが、特別な自信がある「勝負レース」では例外的に選択します。還元率72.5%と低めですが、少額で大きく稼げる可能性があります。
【具体例】
- 過去の傾向から枠順・脚質で決まりやすいレース
- 徹底的に研究し尽くした得意の舞台
- 独自の視点で見つけた「穴馬」を絡めた勝負レース
ただし、3連単は「勝負レース」以外では避け、基本的には還元率の高い馬券種を選ぶことを心がけましょう。
【検証】還元率の差は本当に重要?100万円分の馬券で比較してみた
理論上の話だけでなく、実際に還元率の差がどれだけ影響するのか、シミュレーションで検証してみましょう。
ここでは、100万円分の馬券を1年間(52週)かけて購入し、平均的な予想力(理論上の還元率の85%回収)を持つ人の場合で計算します。
単勝(還元率80%)の場合
- 週あたりの購入額:約19,230円
- 理論上の回収率:80%×85%=68%
- 1年間の総購入額:1,000,000円
- 1年間の総回収額:680,000円
- 1年間の収支:-320,000円
3連単(還元率72.5%)の場合
- 週あたりの購入額:約19,230円
- 理論上の回収率:72.5%×85%=61.6%
- 1年間の総購入額:1,000,000円
- 1年間の総回収額:616,000円
- 1年間の収支:-384,000円
比較結果
単勝と3連単では、同じ予想力・同じ購入額でも、年間で64,000円もの差が生じることになります。この差は決して小さくありません。
もし10年続けた場合、その差は640,000円にも達します。まさに「塵も積もれば山となる」という言葉通りです。
初心者でもできる!還元率を意識した「賢い馬券購入」3ステップ
ここまでの内容を踏まえて、競馬初心者の方でも実践できる「賢い馬券購入法」を3ステップでご紹介します。
ステップ1:まずは単勝・複勝から始める
競馬を始めたばかりの方は、まずは還元率の高い単勝・複勝から始めましょう。特に、新聞や競馬雑誌の予想で本命とされている馬を参考にすると良いでしょう。
初心者は特に、3連単などの難しい馬券種に手を出さず、基本に忠実に進めることが大切です。
ステップ2:自分なりの「馬券ルール」を作る
次に、自分なりの馬券購入ルールを作りましょう。例えば:
- 1日の購入上限額を決める(例:5,000円まで)
- 1レースの購入上限額を決める(例:1,000円まで)
- 購入する馬券種を限定する(例:土日で10レース、うち8レースは単勝・複勝のみ)
こうしたルールを守ることで、感情的な購入を避け、冷静な判断ができるようになります。
ステップ3:結果を記録し、振り返る
最後に、購入した馬券と結果を必ず記録しましょう。スマホのメモアプリやエクセルなどを活用し、以下の情報を残します:
- 日付・開催場所・レース番号
- 購入した馬券の種類と金額
- 結果(的中・不的中)
- 払戻金額・回収率
この記録を定期的に振り返ることで、「どの馬券種が得意か」「どんなレースで勝てているか」といった傾向が見えてきます。これが上達への近道です。
まとめ:還元率を味方につけて、賢く楽しい競馬ライフを
ここまで、JRAの馬券ごとの還元率と、そこから考える回収率アップの方法について解説してきました。最後に、ポイントをまとめておきましょう。
- 還元率の違いを理解する
- 単勝・複勝:80%
- 馬連・枠連・ワイド:77.5%
- 馬単・3連複:75%
- 3連単:72.5%
- WIN5:70%
- 長期的な視点で考える
- 小さな還元率の差も、長期的には大きな差になる
- 一時的な大勝ちよりも、安定した回収を目指す
- 基本は還元率の高い馬券種から
- 単勝・複勝を基本に据える
- 3連単などは特別な場合のみ
- 自分のルールを守る
- 資金管理を徹底する
- 感情に流されない冷静な判断を心がける
- 記録と振り返りを習慣にする
- 自分の傾向を知ることが上達の鍵
- 勝ちパターン・負けパターンを分析する
競馬は、ただの「運任せのギャンブル」ではありません。正しい知識と戦略をもって臨めば、楽しみながらも賢く楽しめるエンターテイメントです。
この記事で解説した「還元率」の知識を活かし、より賢く、より楽しい競馬ライフを送りましょう。あなたの馬券が的中することを心より願っています!
行動への一歩:今週末から始める「還元率重視の馬券戦略」
さて、ここまで読んでいただいた皆さんには、ぜひ次のステップとして「還元率を意識した馬券購入」を実践していただきたいと思います。
具体的には、以下の3つのアクションをおすすめします:
- 次の週末は、メインレース以外は単勝・複勝のみで勝負してみる まずは最も還元率の高い馬券種だけで1日過ごしてみましょう。
- 馬券購入記録のテンプレートを作る エクセルやノートに、「日付・レース・馬券種・金額・結果・回収率」を記録するフォーマットを準備しましょう。
- 還元率についてもっと学ぶ JRAの公式サイトや競馬専門書で、還元率や控除率について詳しく調べてみましょう。
この3つのアクションを実践することで、あなたの競馬ライフはきっと変わり始めるはずです。
「知っているだけ」と「実践する」には大きな差があります。ぜひ、この記事を読んだ今日から、行動に移してみてください。
よりスマートに、より楽しく競馬を楽しむための第一歩が、ここから始まります。
では、馬券の的中と高配当を願って!